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五十歳すぎてから役員になっても、そこから「さあ、革命起こせ」と言われても、なかなかできないですよね。
こんな大変な時代には、メーカーみたいに三十代、四十代から役員を出すとか、少なくとも年次を超えた人事をやるような思い切った発想が出てこないと話にならないと思う。
三井住友銀行あたりでやってくれないかなと思うけど、なかなかできない。
たしかにみずほでも三十代半ばの支店長が誕生したりしていますが、もっと上層部で若手の登用を大胆に採り入れるべきだと思います。
年次運用を破壊すべきです。
これもマスコミ向けの宣伝みたいなところがあり、小型の支店では若い支店長が出てきていますが、大型、中型店では年齢、年次は全く下がっていません。
企画などの管理部門でもそうでしょう。
世間の空気や支店といった現場を知らないままにトントン拍子に偉くなっていって、同じ銀行員なのにほとんど別世界に遊離している。
しかも、こうした間接部門の人数が多すぎるのに、なかなか減らすこともできない。
なぜできないのでしょう。
関係会社も含めた銀行の傘の下に、みんなが入り込んでしまっているからです。
変な年次でトップを選ぶと、それより上の人たちをはじめ他の年次の人の居心地が悪くなり出ていかなければならない。
さりとて、出て行ったときに再就職先はない。
退職金を渡して出ていってもらっても、それまで支店長や役員として偉そうにしてきた人は、外で何もやることがない。
だから、何としても銀行の傘の下に居座ることになるんです。
一方、例えばメーカーの人を見ていると、けっこう寂しげに出て行きますよね。
もう絶対的にポストがないわけだから辞めざるを得ない。
ところが銀行はといえば、責任とって辞めた人でさえ何だかんだで理事や関係会社のポストに残っているんです。
銀行の傘の下で、膨大な数の人たちが食べてるわけですか。
道路公団のような面があったりするんです。
銀行本体は赤字でも、周囲の子会社は黒字というところがかなりある。
公的資金を入れておきながらメスが入っていなかったりするから、人々も納得できないわけでしょう。
いまでも、銀行はみんなで広く薄く食べている。
しかも、経営陣は自分のクビは取られたくない。
こんなことを言うと鬼っ子のように思われるけど、まだ実は銀行の内部を壊しきっていないんですよ。
結局は人材の問題なんですかね。
一方で、二十代、三十代に銀行を辞めていく人が多い。
辞めて転職していく。
トップがビジョンを示さない限り、若くて優秀な者から辞めていく。
先日も再建中の中小企業に話を聞きに行ったら、銀行や生保を辞めて、年収が半減しても、そこで働いている若い人がいた。
どうして銀行を辞めたのか聞くと、こっちの方が、若くても責任を持たせてもらえてマネージメント能力を磨くことができると言う。
銀行員の場合、一兵卒の期間があまりに長い。
それなのにある日突然、四十代や五十代になって関係会社を経営しろと言われても無理ですよね。
銀行も人を出すばかりじゃなく、優秀な人材を外からも採ってきたらどうですか。
外部のいい知恵を導入したり、あるいは中途入社の人がいいアイディアを持ってきても受け入れない、そういう体質は根強くありますね。
やはり銀行は同質な人間ばかりを集めて、それを偉くしてきたから。
それにしても銀行員は、これから何を夢見て生きていけばいいのか……。
何となく銀行は良くなるんじゃないか、なんて叶わぬ幻想を抱いてやっていくしかないのだったら悲しい。
そうはいっても、過去と違うのは、金庫の中が空っぽだということです。
もはやリスクには耐えられない。
どこもそうですね。
ここの銀行も、あそこの銀行も、目を覆わんばかりだ。
第一勧銀も、これまでは「よくこれで潰れませんでしたね」ということがいくつもあった。
これからは、潰れなくても、すぐに国有化されますよ。
私は今からでも遅くないから、東京三菱銀行がかつてやったように、みずほの本店でも何でもみんな売却して、一挙に不良債権処理するぐらいのことはしてもいいと思う。
年収だって、一千万円だった人が三百万円くらいになるようなことがあってもいいと思う。
まず必要なのは、どうしたら自分たちがやりがいのある仕事ができるかを考えることです。
ビジョンを持って、自分の将来につながるマネージメント経験を積むことができれば、給料は下がっても、きっと楽しく働けると思うんですよ。
たとえば居酒屋の店長で、年収何千万円も稼いでいる若い人がいるでしょう。
最初の年収は低くても、店を任されて、成功すれば上がっていくような、そういう仕組みを銀行も考えるべきでしょうね。
銀行の行方ただ、銀行業界は全体を見れば決して斜陽産業ではないんです。
たとえば不良債権を大量処理して赤字になった東京三菱銀行の本業収益(業務純益)は一兆二千億円。
超優良企業ですよ。
みずほは少ないですが。
いくらでしたか。
七千八百億円。
そうですか。
でも、そう考えると決して悪い業種じゃない。
給料だって高いと言われるけれど、儲けてるんだからいいじゃないかとも言えるわけです。
ただ、高い給料を貰っても満足しない人はしない。
それが現在もまた下げられているものだから、非常にストレスがたまっている。
それに、やはり大きな不満は仕事を任されていないからだと思うんです。
名前を挙げるわけにはいきませんが、今にも倒産するんじゃないかと心配されるような建設会社や流通の会社がある。
そういう会社は、ずっと生殺し状態です。
表向きの数字がどうであれ、社員も生殺しになる。
「どんなに働いても、いい会社にならないかもしれない」と思うと社員はどんどん疲弊するし、お客さんも不安が募る。
銀行だって、どれだけ働いても良くならないかもしれないと末端の行員が思い始めたら、腐っていく一方です。
それはそうでしょうね。
だって、一兆円も収益を上げていながら、次から次へと不良債権が出てくるわけだから。
たしかに、一兆円近い利益をあげたのに、一兆円の増資があっという間に消えちゃった。
あれはどこへ行ったんだ、となる。
東京都が債券を発行したら、買ってくれた人に、「あなたが買ってくれた債券でこの橋ができました。
この道路ができました」というツアーを組む計画だそうです。
「お客さまのおかげでこんなことができました」というツアーができるかというと、できない。
金がどこへ行ったのかわからないんだから。
りそなの二兆円もそうです。
最近は軽く「一兆だ、二兆だ」と言うけれど、関西空港建設に一兆四千億円、本四架橋一本造るのに一兆五千億円かかった。
それほどの規模の金が消えているんですよ。
どこに消えたというんでしょうか。
もはや、個別の銀行が対応できる限界を超えているんじゃないですか、これは。
それなら、緒論は何ですか。
早く銀行を公的管理しろ、と。
そう思いますよ。
最近、ニューヨークとワシントンに行って来たんですけど、ひとつ、目から鱗が落ちたことがあったんです。
それは、アメリカの基本的な考え方というのは、日本の金融システムがおかしくなって金融危機が起きて、その結果アメリカの金融システムがおかしくなることは容認できない、ということなんですね。
従って、もしも日本政府がコントロールできないのならば、アメリカが代わってやってもいいよと、こういうスタンスなんです。

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